東京藝術大学 × 三菱電機 オープンイノベーション アニメーションによる先進コミュニケーション

期間限定イベント

Feel the Communication in Ginza — 心までつたえる、先進コミュニケーション技術東京藝術大学 × 三菱電機 オープンイノベーション
アニメーションによる先進コミュニケーション

開催期間:2017年9月16日(土)〜 2017年10月6日(金)

東京藝術大学と三菱電機のオープンイノベーションをMEToA Ginzaでご紹介。

三菱電機はさらなる成長を実現するために、国内外の大学をはじめとする社外研究機関とのオープンイノベーション(共同研究)を積極的に行っています。
「Feel the Communication in Ginza」に展示中の「EMIRAI xDAS」及び「アニメーションライティング誘導システム」では、新しい芸術表現を教育・研究する東京藝術大学大学院映像研究科と共同研究を実施しており、アニメーション表現によるユーザーエクスペリエンス(UX)向上を図っています。
今回「METoA Ginza」での展示を通じて、三菱電機のオープンイノベーションの取り組みの一端をご紹介いたします。

アニメーションライティング誘導システム

エレベーターの心地よさ向上を目指して。

光のアニメーションを活用して、施設内の誘導やエレベーターの利用状況の表示を行うコンセプトで、快適に移動できる施設づくりに貢献します。エレベーターと連動して、到着案内を表示したり、降りる方がいる場合は予め乗場に表示することで、譲り合いを促します。また、乗場での待ち時間を楽しく、心地よく過ごせるよう、常時エレベーターの扉を光のアニメーションで演出します。
東京藝術大学大学院映像研究科との共同研究では、エレベーターの新しい価値の創出に取り組んでおり、現状のエレベーターにはなかった、楽しさや心地よさといった心理的な快適さを、自由な発想によるアニメーション表現で探る研究を行っています。

研究テーマ

01|エレベーターの運行状況を、より直感的に伝える表現
扉や床を利用したアニメーション表現を用いて今までにない方法で運行状況をユーザーへ伝達します。

02|エレベーター待ち時間のストレス低減
乗場でのエレベーターを待っている時間を、楽しく、心地よく過ごせるようなアニメーション表現を探ります。

展示作品

うちなータイムエレベーター

うちなーたいむとは、沖縄独特のゆったりと流れる時間を意味します。忙しい毎日でストレスがたまっているそこのあなた。エレペーターの待ち時間、海でのんびりと波の音を聞きながら、ちょっとだけゆっくり過ごしてみませんか。

制作:福地明乃

マンガ的な表現を用いたドアの開閉ナビゲーション

マンガ的な表現によるエレベーターのドアの開閉ナビゲーションについて考えました。必要な情報を端的に発信しながらも、待ち時間にエンターテイメントを提供することを目指します。少年マンガ、少女マンガ、ファンタジー、グルメ、エッセイなどいろいろなマンガのジャンルをモチーフにしたコンテンツ展開が可能です。

制作:岡本将徳

動く“ 襖絵"エレベーター

エレベーターの扉の形と動きに注目し、日本古来の美術鑑賞のメディアである「襖」とそこに描かれた「襖絵」をモチーフとした表現を試みました。「襖絵」の技法により、伝統的で静的な美しさを表現し、さらに絵の中のキャラクターが動くことで、エレベーターのアクティビティを表現しています。

制作:谷耀介

上映タイムスケジュール

時刻 展示作品
11:00 〜 13:00 マンガ的な表現を用いたドアの開閉ナビゲーション
13:00 〜 15:00 うちなータイムエレベーター “スカイ・ビーチ”
15:00 〜 17:00 動く“ 襖絵"エレベーター
17:00 〜 18:00 マンガ的な表現を用いたドアの開閉ナビゲーション
18:00 〜 20:00 うちなータイムエレベーター “サンセット・ビーチ”
20:00 〜 21:00 動く“ 襖絵"エレベーター

EMIRAl3 xDAS 路面ライティング

人と車の未来型コミュニケーション

次世代の運転支援技術を搭載したコンセプトカー「EMIRAl3 xDAS」。ドライバーと車がコミュニケーションし、周囲の人や車とも通じあえる技術で、安心•安全で快適な車社会を目指しています。車の動きやドライバーの意思をアニメーション化して路面に投射する「路面ライティング」は、従来のウィンカーなどではつたえられなかった、ドライバーの思いやりや気づかいまで表現します。
東京藝術大学大学院映像研究科との共同研究では、「車から人へのおもてなし」と「安全安心に配慮したコンテンツの開発」をテーマとして、デザインの研究・開発を行っています。

研究テーマ

01|車から人へのおもてなし
アニメーションのもつ効果や機能を研究し、楽しさや、心地よさといったユーザーの体験に寄与する表現の研究。

02|安全安心に配慮したコンテンツ開発
子どもや高齢者、外国人など、誰が見ても、車の挙動やドライバーの意図が伝わるアニメーションの研究。

展示作品

「四季」のおもてなし

乗車前に、ドライバーに「季節」を春夏秋冬のモチーフによる美しいアニメーションでお知らせします。春には桜の花びら、夏には浜辺にさざ波、秋には色とりどりの落ち葉、冬にはクリスマスをモチーフとした美しいリースが車の周囲に描かれます。

制作:胡ゆぇんゆぇん

「天気」のお知らせ

乗車前に、ドライバーに「今日の天気」を心地よいアニメーションでお知らせします。睛れの日はギラギラと輝く元気な太陽、風が強い日は風に吹かれて宙を舞う葉、雨の日には水たまりに落ちる雨の波紋、そして雪の日には美しい雪の結晶、それぞれが心地よいアニメーションで表現されます。

制作:胡ゆぇんゆぇん

ハムちゃんと遊ぼう!
~子供を危険から守る~

子供は外の世界に興味津々で少しもじっとしてくれません。そんな子供達を誘導し、危険から守る事がハムちゃんの役目です。乗車前は、子供達を安全に車に乗せるようハムちゃんがドアまで導きます。停車時は、子供達を車から遠ざけ安全な場所に止まるようハムちゃんが円を描いて誘導します。

制作:福地明乃

マンガ的記号による車と人のコミュニケーション

「マンガ」で用いられる記号表現を元に車からの路面プロジェクションによるコミュニケーションを考えます。吹き出しやコマ表現、集中線や描き文字などのマンガ表現を使って、車の状況・状態を周囲に発信したり、乗り降りの際のおもてなしをしたりします。マンガ表現を使ったサインにより、車と人の物理的・精神的な距離をより縮小できるのではないでしょうか。

制作:岡本将徳

コンシェルジュによる車とのコミュニケーション

車がキャラクタライズされた存在としてコンシェルジュをデザインしました。可愛いコンシェルジュの振る舞いが、ドライバーと車とのコミュニケーションを円滑にし、安心感や特別感を与えてくれます。また、様々なキャラクターが用意されており、乗る人の好みにあったコンシェルジュがあなたをもてなしてくれます。

制作:谷耀介

キャラクター群によるサイン

多くの映像は適切な距離、スイートスポットが設定されますが、路面をスクリーン、コミュニケーション空間として考えた場合、周囲360 度だけでなく、遠近さまざまな対象者環境が同時に存在します。ここではコミュニケーションの仲介に「キャラクター」と「群れ」という、2つの表現系統を設けることで、視覚領域に幅を持たせました。

制作:重田佑介

手のアニメーションを使ったサイン

身振り手振りという言葉がありますが、人はコミュニケーションの細かいニュアンスを手の動きや形によって補足しています。ここでは車のサインに手のアニメーションを用いることで、対人コミュニケーションで発生するような細かいニュアンスの再現を試みました。

制作:重田佑介

福地明乃

福地明乃 Akino Fukuji

1993年沖縄県出身。2016年沖縄県立芸術大学美術工芸学部デザイン工芸学科デザイン専攻卒業。2017年現在、東京芸術大学大学院映像研究科アニメーション専攻在籍中。

岡本将徳

岡本将徳 Masanori Okamoto

アニメーション作家。
2008年、武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業。2012年、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。作品歴に、「ばあちゃん」「パンク直し」「'Ho-Ho' This message is boiling hot.」「BONNIE」など。

谷耀介

谷耀介 Yosuke Tani

1992年京都生まれ。立命館大学映像学部卒業。在学中アトリエRojueにてデッサンを学ぶ。2017年現在、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻在籍中。

胡ゆぇんゆぇん

胡ゆぇんゆぇん Yuanyuan Hu

1986年生まれ、中国出身。4歳から日本に滞在し、小学校卒業後帰国。2009年南京芸術学院グラフィックデザイン専攻卒業。2012年東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。現在映像作家として日本で活動中。

重田佑介

重田佑介 Yusuke Shigeta

東京芸術大学大学院映像研究科メディア映像領域修了。驚き盤やゾートロープなど装置を含めた広義なアニメーションへの興味からメディアアート領域で活動。「がそのもり」第14回文化庁メディア芸術祭、「お話の力学」第12回文化庁メディア芸術祭など。