Event Report

「Space in Ginza ― 銀座の中の宇宙」
山崎直子宇宙飛行士トークショー「NAOKO☆アサガオ」
~やさしさ・思いやり、そして「きぼう」を育てよう~

開催日:2016/7/25(月)

2010年スペースシャトル・ディスカバリーで宇宙に飛び立った山崎直子さん。ともに宇宙を旅した「NAOKO☆アサガオ」の種は、その後も日本中の子どもたちの手で大切に育てられ、今では6代目に。小さな種が夢を咲かせるように、やさしさや思いやり、そして「きぼう」を育みたい──。
そんな想いを込めて、山崎さんが宇宙の夢を子どもたちに語るトークショーが、「METoA Ginza」で開催されました。

いつも以上ににぎやかな「METoA Ginza」の2F。この日のお客様は、小学生から中学生までの子どもたち。入場時に配られた「NAOKO☆アサガオ」の種を手に、巨大な「METoA VISION」に映し出されるスペースシャトル・ディスカバリーの打ち上げ映像を食い入るように見守っていました。

そんな子どもたちに向けて、まずは当館の今川支配人がご挨拶。「「METoA Ginza」はいろんな人やモノ、体験に出会える場所。今日はみなさんが大好きな宇宙や山崎直子さんとの出会いをたっぷり楽しんでください」──いよいよ、山崎直子さんの登場です。

「先ほど映像でご覧になったディスカバリー号に、私は乗っていました。みなさんが持っている種は、そのときに持ち帰ったアサガオの子孫です。ぜひ大事に育ててくださいね」と山崎さん。

その山崎さんも、「宇宙に行きたい」という子どもの頃からの夢をすくすくと育んできたそうです。
小学2年生のとき、天体望遠鏡で月のクレーターや土星の輪を見て宇宙に憧れたという山崎さん。中学3年生で「宇宙飛行士になりたい」と決意しました。きっかけは、テレビで見たチャレンジャー号の爆発事故。想いを果たせなかった宇宙飛行士たちの意思を引き継いで、宇宙のすばらしさを伝えたいと考えたのです。

大人になり、現在のJAXA(宇宙航空研究開発機構)でエンジニアとして働きながら、宇宙飛行士を目指す日々。一度目は不合格だったものの、2度目の試験で念願の宇宙飛行士候補者に選ばれ、国内外で10年以上のトレーニングを積んだ末、2010年、ついに宇宙に行く夢を実現させます。

「大切なのは、夢をあきらめないこと。失敗したっていいし、回り道だって決してムダではないんです。たとえば、宇宙飛行士になる条件のひとつに、日本の文化を知っていること、というのがあります。おかげで、子どもの頃に習っていたお習字が役に立ちました。どんなことも夢を実現させるチカラになる。だからみなさんも、今、目の前にあることに一生懸命取り組んでみてください」

ディスカバリー号は、打ち上げから8分30秒で宇宙に到着。山崎さんたちが目指したのは、国際宇宙ステーション(ISS)です。「ISSでは、いろんな国の宇宙飛行士たちが共同生活をしています。みんなでなかよく暮らし、ミッションに挑戦するところは、まるで小さな地球のよう。でも地上と違って重力がないので、会話をしたりごはんを食べたりという日常生活もちょっと勝手が違います」

上も下もない無重力空間では、どんな姿勢も思いのまま。浮いてどこかへ行ってしまわないよう、パソコンや文房具などもマジックテープで貼り付けてあるのだとか。「どこに何があるかわからないと仕事にならないので、使い終わったら元の場所へ。使うときも動かすときも一声かけて。みなさんがおうちや学校で習う、整理整頓・挨拶・声がけの基本は、宇宙で暮らすうえもとても大切なルールなんです」

暮らすといえば、気になるのが毎日の食事。宇宙食のバリエーションはとても多く、主食やおかず、飲み物やおやつなど300種類以上にのぼるそうです。「お赤飯や鯖の味噌煮、栗ようかんなど日本食だけでも約30種類あるんですよ。でもたまには生のお野菜も食べたくなりますよね。そこで現在は、レタス栽培などの宇宙農業の研究も進められています」

ISSでの暮らしにはじまり、宇宙から見た地球の様子、その地球が位置する太陽系・銀河系に至るまで、壮大な宇宙のお話を子どもたちに聞かせてくれた山崎さん。好奇心を刺激された子どもたちからは、たくさんの質問も寄せられました。「宇宙で大変だったことは?」「楽しかったことは?」「スペースシャトルの乗り心地は?」「お風呂はどうしてたの?」「宇宙飛行士になるにはどうすればいい?」などなど、その数10以上。ひとつひとつに丁寧に回答した山崎さんは、最後にこんなメッセージを贈ってくれました。

「これまで宇宙に出た地球人は約500人。みなさんが大人になる頃には、もっとたくさんの人が宇宙を旅しているかもしれません。宇宙にはまだ私たちの知らないことがたくさんあります。人生も同じです。その謎を解明するためにも、ぜひ自分の夢に向かって歩いてみてください。地球の、宇宙の、そして未来の可能性を切り拓くのはみなさん自身なのですから。今日は、「METoA Ginza」で素敵なみなさんに出会えたことに心から感謝します」

山崎直子さん、そしてご来場のみなさま、本当にありがとうございました。